子供になる6首

いつもより遅いバスなら特西2　特別な場所へ導きそうな

背中から進んでゆくバスもしかして私は過去へタイムスリップ

黒い猫振り向き姿が怖かった　ちぎれた尾の先返せというの

さっきから両手使って本当は送らぬメールいじる待ち人

こっちから眺めるだけじゃ悪いから公孫樹よどうぞ私を見てね

また派手に塗ったもんだと飛び乗った水色ベンチで子供になった

なんとなく1首

誕生日みんな忘れてしまってもどっかり青い空がお祝い

旅立つ前の日

上り坂いまはひとりで影送り　広がる空が春を目指して

日常的な(?)2首

友達を盛り上げようとしたつもり　滑って転んでキモキャラになる

もう春は近いというが舗道には腐れなかった落ち葉の風葬

日常的な3首

太陽を感じて肌は目覚めゆく　きっと AM10:00 ( じゅうじ ) なまぶたの向こう

すれ違う電車はいつも爆発音　人間ゆえのあらいあいさつ

踏切の向こうの虹の美しさ　トぅントゥントゥントゥン　消えるなら　今