忍者ブログ
不定期更新中。
[1]  [2]  [3]  [4]  [5]  [6
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

おどろいたの あたしは裸で
人もいないのに 露わだった
遠くでラッパが鳴って 目が覚めた
そんな週末に 空が泣いた

残ったお酒の飛沫が 頬を傷つけ
もっと美しく なれっていうよ
動かない心さえ ないことに弱いなら
あなたまるごと忘れたい 濁る街ごと

ビルの上のほうから 光がもれ込んで
掬い上げてくれるような時間に
そっと譲るよ 運命を
だってもう あなたはいなくて
あたしは あなたがとうとう
誰かを殺しちゃったんじゃないかっておもったの
だけど 幸せな天使が教えてくれる
明日になれば分かるってね

それなら この気持ちも
あなたになにか良い偶然をもたらすように
置きっぱなしで ここを出るよ

PR
鯨の話を長いことしていない
ノートの行間の随筆が 一人で闊歩し始めたので
その後はご想像にお任せします、と
隣の私に打ち明ける
のを見逃す筈がない先生

プランターの植物は 優しさを求めているのに
先生は今日も日光浴をさせたがる
そしてまだ鯨は雲だと思っている
窓際の私と目配せをして
ああ やはり同じことを考えていた、と
ようやく席を立つ

もう何でも良いやという程に 打ひしがれた分だけ
傲慢になっていくのは何故だろう
小さな種を育てるための手が
優しさの計算式に代入する値を迷って
黒板に弾かれて パキンと落とす
どうやっていろどろうか 新しい家を
どうやって試そうか この空気の好みを

あしたどんな色着て どんな味の実食べて
どんなTV見て どんな声出せて

あしたくるか あさってくるか
もうずっとこないかもしれない郵便屋さんに
はじめましてがわりに 何を託そうか

どうやってふちどろうか この不足分を
どうやって飾ろうか 夜の食卓を

どうやって試そうか この空気の好みを

電車がくる
田舎へ向かう一団は
もう旅立っただろうから
そうでない人々と
残った憂いを
ベッドタウンへ運んでいく

滑り込む電車に向かって
歌いだす学生がいる
5限のテストでいっぱい仕入れた謎を
乾いた轟音に紛れるつもりで
はみ出ている
白い線から

暮れ泥む 今というときを
野球部が見える橋の上で
惜しんでみましょう
と、隣りのおじさんが教えてくれる
居眠りさんを起こさないように

日常の中の日常の中の日常の中の日常の中で
紡ぎ上げられていく事と物と
平行線をなす電車で
乗り物酔いをして
ついでに仲違いをして
そぐわないものが落下し
居眠りさんが揺すられるころ
駅は一周して
今日を諦めたりする
運転手さん一人に、乗客一人
に対して言葉は束になって
まやいやどやごやじょなどの音が
毎度ご乗車ありがとうございます
と言うために協力する
その次にがんばっているのはマイクである
運転手の方は
できるだけカロリーを消費しないように渋く息をおくる
乗客は耳栓をしているので
とりあえずは眠ったまま
もし明日乗客がいなくても
万一を思って
言葉は紡がれるだろう
忍者ブログ [PR]