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パセリは苦い
人生のようだ
と、いってみたものの
本当は特に苦いとは思わない
パセリはマリネに入れても美味しい

私が語りえないもの、それは死
死は語る、とこまでも深く
けれどもそれ自体は苦味ではなく
ただ、なにでもない

彼も、パセリを
食べたことがあっただろう
人生のようだと、例えばそのとき、言えただろうか
重大なことを感じたときには
きっともう遅いのだ

レモン入りのマリネは酸っぱい
人生のようだ
と、いっても同じである
真実に届くことはない

そのまま、ぼぉっとなる私は
パセリを粉々にちぎる
命の尊厳、そんなはかない筈のものさえも
無心で彼に祈りながら






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なだらかな足跡を 滑る形跡を
なけなしの空を 消防自動車色の雲を
エンジンかけっぱなしのバイクを 水鳥を

あの人が持っていた 白い手紙を
宇宙を ニス塗りのおもちゃ箱を
どこにしまったか 忘れたままの鍵を

シャガールのヤギのような 夢の中の羊を
50年の時を経た 鷲鼻工学博士の
祈りを包んでしまった モス・イエローを

愛していた 君を
碇形のクッション 捻れた風の私鉄ダイヤと
時間が流れていく まともな世界を
やさしい人になりたかった

やさしい人になりたかった
それは何のため

やさしさよりも気遣いだよといった
やさしかったかどうかはいつもびみょうだ
気遣ったつもりかどうかなら頷ける
たとえ無意味でも

やさしさは何のため
うつくしさのため

破砕されるときをじっと待っている
碧いビー玉のうつくしさ
やぶれるときのうつくしさ

うつくしさのため
ではなかった

やさしさは何のため
よろこびのため

朝目覚めたときの
君がはにかむよろこび
見えないところに触れるよろこび

よろこびのため
ではなかった

それは考えてはいけないことだ
それは何にもならないことだ

やさしさは何のため
つながりのため

一生傷を守るつぎはぎ
透けはじめる日をつなぎとめる眼差し
透けはじめる人へのつながり

つながりのため
ではなかった

やさしい人になりたかった
そうしてわたしは
床と天井が絡まってひとつになってしまうまで泣いた

自分の人生って何だと改めて問う時期なのでしょうか 年齢的に

みなそれぞれにある種の絶望と諦めと戦っているのですね

幸せになれればいいのに ね?

いつか誰かが心の中にすっぽりはまるといいね
互いにそうなったらもっといいね

でも そうじゃなくてもいい人生を
見出さなきゃいけない
世界は自分のものではないから

意志なきものを 信じてはいけない
愛も信頼も
いつでも幻にできるから

去年は、特に大きな事故もなく落ち着いていられたので、とても幸運だったと思います。
そのような平凡な幸せの中で色々なことがあり、DCやアメリカ滞在といったような具体的なものを得た一方で、ある種のときめきと柔軟性とでもいえるような抽象的なものを失ったりしました。
結果として、いつもより少し学ぶものがおおかったです。

学んだものの一つには、無知の知、つまり自分の世界の狭さ、自分が認識していない世界の広さ、というものもあります。
ジェネラリストはきりがないと思っているし、それを求める気は毛頭ないんです。
でも、まだ知らない世界の中に、皆のハッピーに近づくためのヒントも、自分の不足を補うピースも、転がっているかもしれないですね。
これから色々な人・ものと出会って、そういうものを拾っていければいいなって思います。

また、2度の1ヶ月のアメリカ滞在は、確実に自分の価値観を変えていっています。
外国としての、小さな島国としての、そしてふるさととしての日本への見方が、自分の中で確立しつつあります。

自分のような詩人でもなんでもない人が書くのはおこがましいことだとは思いますが、自分にとって詩とは?という問いに対する答えも、実はアメリカで見つけました。
余白を求めていたんだと思います。
物がつまった家に部屋を一個継ぎ足して、そこには机一個と花瓶一個と綺麗な花を置いておく。それ以外は何も置かない。
それに似た作業だったんですね。

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