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造りかけの駅で
夢ひっかかって
真珠を落とす

働く大人が
うたた寝する間に
真珠を落とす

匿名の夢は
誰か蹴飛ばして
今のうちに次へ
私なんかいない次へ

ひっかかったの
色々な余分
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暮れかかった西山に今日の名残がしがみつく頃
生ぬるい風が、木綿の垂れ幕をハタハタさせる
いつからだろう、この喧噪は? 団体戦は?
しかし今や時間は穏やかで
犬は気持ち良さそうに放尿する

今や彼らは幾つかの手段を知っているから
怒りの赤ペンキに論理を委ねて
反対とは言います…
影は薄く伸び、それを黙って踏みながら
私は私のことしか知らないのに、と
住宅街の真ん中を下を向いて歩く

目の前の家に、ふいに灯りが点る
犬は、そろそろ帰路に着かんとして
確かな足取りで、分かれ道を左折する
夕焼けに染まりながら、垂れ幕は揺れ続ける
どれだけ抵抗しても、ここは孤島ではない
いつか大いなる風がこの垂れ幕を吹き飛ばすまで
しばしの、戦いごっこだ、生活と生活との

一分単位で沈んでゆく色彩
曲がり角の先にはもう、夜が佇んでいる
幸せな家庭に、今日も、温かな時間がやってくる
トントントントンと包丁の音――怒声でなく――が洩れる道を
ひょうきんな足取りで突き進む犬を見ながら
お腹が空いたな、と思うのだった



消えないイメージの中で
彼を砕いた電車がときどき笑う

嘘だと言ったのに

よく晴れた六月
鉄の黒さに騙されたのね
きっとそう
それだけで

俯いたお父さんの背中が
あんなに小さくなっているよ

崩れたお母さんの愛は
永遠に過去をまわるよ


どれほどの人に求められていたか
分かっているの 見てよ
絶え間ないこの行列
あの頃の主要人物たちが
みんな集まってくる
そして それより多くの
私の知らない年月の分の
知らない顔も泣いている

ねえ 誰も救えないよ
煙が細くのびる

ねえ 誰も届かないよ

彼だけ知っている想いが
そこにはあって
彼にだけ見えていた
景色があって
今 ぜんぶ本当になる

それでも
あの娘は生きるよ
だから逃げたの


あんまり空が青い日は
何にだってなれそうだから

どうかひとつだけ 教えてほしいことがあるよ


親愛なるローザ
待っているわけでも
信じているわけでもないが
きっと僕を迎える
遠くにありき
遠くにありき
近くにありき
しかし遠くにありき

夢から覚めて
極彩色のひかり
ああ僕は僕は
同じ場所に居ない
愛しているよ
愛しているよ
愛しているよ
時々忘れたくなるよ

もしも知らない人と
再び出会っても
涙など忘れて
初めてだと言うだろう
だから
親愛なるローザ
いつかの日まで
僕は太陽を数えよう




不安定な夜
不安定な風
不安定な音

願いを込めるわ
雷雲に託すわ

「どうかあの人にひとつ大きいやつが落ちますように」

不吉な夜の
不吉な使命

雨を降らせてはなりません
途中で光ってはなりません

思いつきの願い
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