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リアリティがさらに現実味を帯びて
わたしは空の中に一つの水車を発見する
もし本当なら
必ずわたしの真上だ

潰されるような悲劇
気付かない 暇すぎる時計屋
どうでもいいという言葉に従えないで
今日も水車が回っている
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赤紫に冷めた花は ――ヒヤシンスに似ている
ザァザァ降りの雨、いま、すこし無機的な部屋で
窓につたう水が色々に道を選んでいった
過去を遡るような、現代文明のような、時計の音
そして樋から落ちる雫
奇妙なシンコペーションは
いまこそと言わんばかりに一人の知識をあざけり始めた

心地よさを穿つもの、しかし、敵だろうか?
彼は、しばらく黙していようと思う
腹においてある筈の大きな塊が
徐々に雨と溶け出していく様だ
一体、何を晒すために外を眺めるの

第六感の思想が口をきく
始まりが、とうの昔に過ぎてしまったらしい
この部屋はどんな明るさに面喰らったこともないのだ!
きっと窓さえ、割れ方を忘れている
一秒が、流れるよりも溜まっていった
やがてそれだけになった
目と耳だけなようだ、本当に存在するのは ――
自分の呼吸を、ついに思ったが
それは不自然としか言いようのない後味の悪さだ

まさに彼は生きようとしていた
酸性の臭う空気の中に夢は見なかった
歴史でも未来でもなく、時計の音はするのだ
座り込む人は確かに変わっているし
いつもまったく同じ部屋が刻まれる
けれど、そんなことよりも
もっとどうでもいい事の山積みによって僕らは
混迷する心を余計にひどくしていたのだ

はたりと彼は思いついた、間接的に伝えること
灰のような唇で何を拭おうというのか
溺れる、雨の中
ハルジオン
カスミソウ
ペチュニア
ベゴニア
マリーゴールド
呼べる名前で埋まった小さな庭に
たくさん あふれる
美しい とりこぼし
空間の中でほほ笑んでいる
君の、少女の、未来のかけら、かけら
せせらぎを越えて、
せせらぎを越えて、
あと一度、ダメな夢を見るよ

歩いている、そのままで
分かっていないけど、分かっているから
ひとの孤独で自分の孤独を埋めようするのは
そうじゃなかった、少なくとも今日
色をなくした、未来のかけら

空間の中でほほ笑んでいる
だってここにも散らばっている
拾えるものから、グッと、差し込んでいく

それでもまだ、いくらでも残っている
シダの茂みに、小石の裏に、水の底に、雲の中に、
光を映している、散らばっている
ダメな夢を見るよ

みちびかれるように、
やがて向こう岸へながれつく
君の、少女の、未来のかけら

せせらぎを越えて、
せせらぎを越えて、

水にうつる鳩が
水を渡る橋のうらで
まちがいをおかすのを、
やさしく仰いだ

せせらぎのこちら側で

小説の鳥が鳴いている
形無き鳥が鳴いている
大きな影が山稜をすべる
それもみんな違う世界のこと

形無き鳥が鳴いている
海の向こうを唯一知っている
気付かないうちに生き残り
小説の鳥が鳴いている

形無き鳥が鳴いている
形無き鳥は悲しい
だから私はいつも
映像の力を借りてしまう
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