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いちじくのパン
が好き

果肉はよれよれ



だれも

わたしの
凍えて死んだ

あのときに ひと片

こともなげに



しゃがれ声
あげたい

会いたい

会えないなら

種はこころみ
今日は、、、嗜む



うう このまやかしが
届くなんて

おいしいジャムを

人に比喩えて
やさしい



ただ

狂えるほど
だれも!

かれも

裸んぼうの


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雲の色 ほどける たゆたう たゆたう
吸い込まれていく 雫に映り込んだ さかさまの西山

遠ざかるあめおとを 次の街に聞いた
靄の残る道半ばで うつくしくて佇む

埋まっていた宝物は ぜんぶとっていってしまったよ
というような 静けさに 虫達は息を殺して
いまはまだ 伴侶は呼ばない

きのうの波乱の逸話を 知りもしないで
倒れたパンジーの鉢を起こす 男も
でもあの中に いたのだろうか
うっかり濡れた溝色の猫も

次の街は 小さく濡れて
嫉妬も あらわれる あらわれる

乱反射する何かを 透明ににごしながら
たのしいことを 排除し始めるのは
ずいぶん冷えた体のせい

ああ 荒れることもない朝に
私が語って良いのなら
産まれるのはいま
母の力も借りずに

雲の色 ほどける たゆたう たゆたう

1.バイク

暴走したバイクの音がきこえる
まるでなげきのようにきこえる
誰のものかはわからない
いろいろな生命のなげき
みんながんばっている
それだけで力になる


2.埃

ストーブを除けると
埃が居た
きちんとストーブの形を留めている
どこから来たのかさえ分からないけど
いつからかそこに安住した
それらはきっと生きていて
優しく舞い降りたのだ
汚れているのに素敵な部屋


3.おでん

つきさしたちくわから
白いもやがでてくる
鍋の外に出たらもう生きられない
宿っていた生気が抜けていく
見る間に死んでいくちくわ
なくなる前に早く口へ運ばなくては!


4.自転車

気付いたら 5m前に
赤いカーディガンを着た女の人が
銀の自転車を漕いでいた
つかず離れずのわたしは
うまく気配を消すこともできずに
ちょっとばつの悪い感じで進んでいた

落ち葉はカサッカサッと必ず二回鳴る
わたしが通るとき人の波はすでに開いている

学校へ曲がる交差点で
わたしたちは分かれた
赤いカーディガンは 振り返らずに
ちょっとだけ 他人だった


5.カミキリムシ

カミキリムシの絵を描く
細い線を重ねる
星のない丑三つ時
大きなカミキリムシを描く
不つり合いな音楽をかけていた
それはだんだん賛美歌のように響き始めて
これが宿題でも何でも
このまま描いてやろうとおもった

校庭から浮かび上がった虹色の気球は
故郷をぐるり一周して
そのまま 空のものになる
大きく背伸びしたら
雲が切れる

渡り廊下からジャージで見てた生徒は
未来から眺めるような気持ちで
懐かしさを予想する

一歩下がって
その分の景色を拾って

変わっていくと分かっていた
戻れないと分かっていた
でもきっと 何か知らないから
卒業の日まで
色のあるものの虜

泣きたいような声だった
明日聞いてくれるの
蝉の季節に連れてってくれるの
疑わしい思い出を越えて
 
朝の祈りが遠い村まで
届いてくれるの
夢に出て来るよりは
もっと答えてくれるの
 
味方がほんとは中立でも
今まで大丈夫だったからと
これで強くなれると
生きるのは簡単だと
言い聞かせながら
薄い上目遣いを
笑っちゃうような期待を
誰かが本当に笑うの
 
でも昨日は過ぎるから
思い出も忘れるから
嘆くことなく
今日この村を去って
 
あと3分で出来上がるって
悲しい気持ちって言ったら
待っていてくれたの
聞いてくれたの
 
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