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最後の刃は
あなたの心臓を貫けばいいと思う
永遠に抜けないように
きつく深く
あなたはどうせ解放されないから
美しすぎた心に
武器をあげたい

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その1
 
あたしの声が形になったから
不用意に吐き出した言葉なんか
全部食べてやった
 
 
その2
 
書いた文字がひらひらと
あたしの蝶になって
形而上的な羽で
空を散らす
 
理解できないあなたが
優しく微笑む隙に
嘘をついた
 
 
その3
 
空のせいじゃなくて
焼けた心を冷やすため
 
心の中の化学反応が/死んでしまったの/材料はまだまだあるのに/消化もされずに/ただ詰まっていくなんて/ああ苦しいのは/足りない核のせい/きっときっと!
乾いたお腹を抱く 秋空の麓
ああ遠い 遠い 道を昇る
旅立ちの号令 この記念すべき普通の日に
精一杯のさようならを 誰か 聞いて
ガムランの国へ
二人の夜へ
大好きな小説の中には
「星もないのに」という描写の中にしか
空は出てこなかったのに
そこにあった筈の月を
何故か知っている
ないという形でしか現れない月に
憧れを重ねていたんだと思う

そういえばあの日
月はなかった
あるいは私の記憶から抜けた
街灯一つない夜のほとりで
繰り返される二つの孤独を
諦めるまで
もう少し
回想シーンはいつも
不思議なアングルで切り取ってくるから
光を放たないものを
いちばん覚えた

そうして気付けば
そこは日本で
川沿いの古い温泉街で
煙突と桟の間にギリギリ収まった
きんいろの月
コピとススの音楽
思い出の中にないものが
はっきりと浮かび上がる
影曲がる肌を
そっとなぞる優しさは
嘘偽りのない
欲しかったもの

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